グリチルリチン酸は赤みや炎症を和らげる目的で使われることがあり、ほかの成分との併用で効果や刺激が変わる可能性があります。ここでは赤みの原因を簡潔に整理し、相性の良い成分と実践的な併用ルールをわかりやすく説明します。
赤みの原因(生活習慣→スキンケア)
生活面では、睡眠不足やストレス、過度なアルコール摂取・辛い食事、急激な温度変化などが血行や炎症反応を促し、赤みの一因になる可能性があります。血管拡張や自律神経の変化が関与している場合もあると考えられます。
スキンケア面では、強い洗浄剤や過度な角質除去(AHA/BHA、頻繁なピーリング)、アルコールや香料を含む化粧品の使用、濃度の高い酸やレチノイドの併用がバリア機能を損ない、赤みやヒリつきを助長することがあるようです。
グリチルリチン酸の特徴と期待される作用
グリチルリチン酸は甘草由来の成分で、抗炎症的な作用やかゆみ抑制の一助になる可能性が指摘されています。学術的な情報や研究例はPubMedでも確認できます。製品ごとの濃度や配合処方で効果と刺激は変わると考えられます。
相性の良い成分と組み合わせルール
- 保湿成分(ヒアルロン酸、グリセリン):バリア改善の一助になる可能性があり、グリチルリチン酸と併用すると赤みケアの土台作りに役立つことが期待されます。基本は洗顔後→化粧水→美容液→保湿の順が目安です。
- バリア修復成分(セラミド、脂肪酸、コレステロール):皮膚の保護を助けるため、赤みの落ち着きに寄与する場合があります。夜間にしっかり保湿するのが望ましいと考えられます。
- ナイアシンアミド(ビタミンB3):炎症抑制やバリア強化が期待され、グリチルリチン酸と比較的相性が良いとされます。混合使用しても刺激が出にくいことが多いようです。
- ツボクサ(センテラアジアチカ)やアラントイン:鎮静を助ける可能性があり、同時配合で相乗効果が期待される場合があります。
- アゼライン酸:赤み(特にロザケア傾向)に有効とされる成分で、併用が有益なケースがある一方、製剤ごとの相互作用を考慮し、段階的に取り入れるのが無難かもしれません。
- 低pHのビタミンC(L-アスコルビン酸):pH差により成分安定性や刺激が変わる可能性があるため、朝と夜で分ける、あるいは別製剤で時間差を設けると負担を減らせるかもしれません。安定型ビタミンC誘導体は併用しやすい場合があります。
- 強い酸(高濃度AHA/BHA)やレチノイド:肌に負担が出やすい組み合わせのため、同時使用は避け、夜間と朝で分ける、あるいは隔日使用などで刺激を抑える工夫が考えられます。
実践:朝晩の使い方例
朝の例:やさしい洗顔→化粧水→グリチルリチン酸含有の美容液→保湿クリーム→日焼け止め。グリチルリチン酸は保湿・保護成分の直前〜後に使うと落ち着きやすいことが期待されます。
夜の例:落とす必要があるメイクをしている場合はクレンジング→やさしい洗顔→必要なら酸やレチノイド等の有効成分(夜間)→(敏感なら時間差で)グリチルリチン酸美容液→保湿。強い刺激を伴う成分は単独使用や隔日使用を検討すると負担が減るかもしれません。
パッチテストと注意点
初めて使用する製品は、耳の後ろや前腕内側で24〜48時間ほど様子を見るパッチテストが参考になる場合があります。赤みや強いかゆみ・腫れが出た場合は使用を見合わせ、必要に応じて皮膚科専門医等への相談を検討するのが良いかもしれません。
肌質別のポイント
乾燥肌:保湿重視で、セラミドや油性のエモリエントと併用するとバリア回復の一助になる可能性があります。グリチルリチン酸は刺激緩和の補助として使いやすいことが期待されます。
脂性肌:軽めの保湿(ヒアルロン酸や低粘度の保湿剤)を心がけ、過度な洗浄や摩擦を避けると赤みの悪化が抑えられるかもしれません。グリチルリチン酸は炎症抑制の補助として取り入れやすい場合があります。
混合肌:Tゾーンは油っぽく、Uゾーンは乾燥しやすい場合が多く、部位ごとに保湿レベルを調整すると良いと考えられます。グリチルリチン酸配合品は乾燥しやすい部分の鎮静に役立つ可能性があります。
敏感肌:成分表を見て香料やアルコールが少ない処方を選ぶと刺激が出にくいことが期待されます。新しい成分は少量で様子を見るのが無難かもしれません。
関連情報と信頼できる情報源
皮膚疾患や敏感肌の基本情報は日本皮膚科学会のサイトでも参考になる場合があります(日本皮膚科学会)。成分の研究情報は学術データベースでの確認も有用です(上記PubMed等)。
FAQ
Q. ビタミンC(アスコルビン酸)やAHA/BHAと一緒に使ってもいいですか?
ビタミンC系は処方やpHによって相性が変わりますが、一般的には併用可能です。AHA/BHAや高濃度の酸は皮膚バリアを弱め刺激を増すことがあるため、同じ夜に強い酸と一緒に使うのは避け、別の日か低頻度での併用を検討してください。まずはパッチテストを推奨します。
Q. 妊娠中や授乳中に使っても安全ですか?
外用のグリチルリチン酸は一般に安全とされていますが、内服での過剰摂取に関する報告があるため心配な場合は産科医や医師に相談してください。成分表を確認して外用のみであることを確認するのが良いです。
Q. 適切な濃度や使い方、パッチテストの方法は?
市販品の濃度は製品により異なります(例:0.1〜数%)。ラベルや製品情報を確認し、敏感肌は低濃度・隔日使用から始めると安全です。使用前に腕の内側などで少量を塗り24時間観察し、赤み・かゆみ・腫れが出たら使用を中止してください。
- Q: グリチルリチン酸は毎日使って大丈夫? A: 製品の濃度や肌状態によりますが、低刺激処方であれば日常的に使われる場合が多いようです。様子を見ながらの使用が望ましいかもしれません。
- Q: ビタミンCと一緒に使える? A: 低pHのビタミンCは安定性や刺激に差が出るため、朝と夜で使い分けるか、時間差を設けるのが検討されます。
- Q: 赤みが強いときはまず何を優先すべき? A: 刺激となる製品の使用頻度を見直し、保湿と日焼け止めでバリア維持を優先すると赤みの落ち着きに寄与する可能性があります。
- Q: 子どもや妊娠中は使える? A: 製品ごとに成分と濃度が異なるため、状況に応じて専門家に相談を検討するのが無難です。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。体調や肌状態には個人差があります。気になる症状が続く場合は、医療機関等の専門家にご相談ください。化粧品等の効果・効能を保証するものではありません。
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