SPFとPA、まず結論だけ
日焼け止めの表示は、ざっくり言うと次の2つです。
- SPF:主にUVBをどれだけ防ぐかの目安
- PA:主にUVAをどれだけ防ぐかの目安
ここで最初に押さえたいのは、「++++」が付くのはPAの方だということです。
よく「SPF++++」と表現されることがありますが、実際の表示としては SPF50+ のように数字で書かれ、PA++++ のようにプラス記号で書かれるのが基本です。PAの等級は日本化粧品工業会の基準で定められています。
そもそもUVAとUVBは何が違う?
日焼け止め選びが分かりにくくなる大きな理由は、紫外線が1種類ではないことです。
UVA
UVAは、いわゆる“エイジング寄り”の紫外線として説明されることが多く、肌の見た目の変化に関わる光として扱われます。窓ガラスを通りやすいこともあり、屋外レジャーだけでなく、日常生活でも意識されやすい紫外線です。
UVB
UVBは、いわゆる“赤くなりやすい・ヒリつきやすい”方向の紫外線として知られ、日焼け止めのSPFは主にこのUVBに対する目安です。
つまり、
- 赤くなりにくさを見るならSPF
- じわじわ受けるUVA対策を見るならPA
と覚えると、かなり整理しやすくなります。
SPFとは?数字が大きいほどどう変わる?
SPFは、FDAでは“日焼けを起こすのに必要な紫外線量が、無防備の肌に比べてどれくらい増えるか”を表す指標として説明されています。ここで大事なのは、SPFは本来「何分もつか」を直接示す数字ではないという点です。たとえば「普段30分で赤くなるから、SPF30なら15時間平気」という考え方は、FDAが誤解だと明言しています。
また、SPFは数字が上がるほどUVB防御は強くなりますが、差は“倍々”には増えません。AADでは、SPF15で約93%、SPF30で約97%のUVBを防ぐ目安が示されています。
SPFの見方をやさしく言うと
- SPF15:最低限より少し上
- SPF30:普段使いで目安にされやすいライン
- SPF50+:長時間の屋外やレジャー向き
ただし、数字が高いから塗り直し不要になるわけではありません。屋外では2時間ごと、汗・水・タオル後はそれより早く塗り直しが必要です。
PAとは?「+」の数は何を意味する?
PAは、UVA防御の目安で、JCIAでは次のように定められています。
- PA+:UVAPF 2以上4未満
- PA++:UVAPF 4以上8未満
- PA+++:UVAPF 8以上16未満
- PA++++:UVAPF 16以上
つまり、+の数が増えるほどUVA防御の目安が高い、という見方でOKです。
時間の目安はどう考えればいい?
ここがいちばん混乱しやすいところです。
結論から言うと、SPFもPAも“何時間もつか”をそのまま断言する数字ではありません。 特にSPFについては、FDAが「時間そのものではなく、受けた紫外線量に対する指標」と説明しています。
それでも、ユーザーが感覚的に理解しやすいように、“かなり単純化した目安”として考えるなら、次のように見ると分かりやすいです。
SPFの時間イメージ(かなり単純化した考え方)
たとえば、何も塗らないと10分で赤くなりやすい条件を仮定すると、
- SPF30:理屈上は「赤くなるまでに必要なUVB量」が約30倍
- SPF50:理屈上は約50倍
ただしこれは実生活でそのまま“分”に置き換えられるわけではありません。 日差しの強さ、季節、時間帯、汗、こすれ、塗る量で大きく変わるため、実際の使い方としては2時間ごとの塗り直しを基準に考える方が安全です。
PAの時間イメージ(“ざっくり理解用”)
PAはUVAPFの範囲で決まっているので、ごく単純化すると、何も塗らない時にUVAによる黒化のサインが10分で出る条件なら、
- PA+:約20〜40分相当の目安
- PA++:約40〜80分相当の目安
- PA+++:約80〜160分相当の目安
- PA++++:約160分以上の目安
…というイメージになります。
ただし、これも“時間保証”ではなく、等級の意味を分かりやすくするための単純化例です。実際の持続時間は、日差しの強さや塗り直しの有無で変わります。
じゃあ普段はどれを選べばいい?
迷った時は、まずSPFとPAをセットで見るのがコツです。
SPFとPAが違うなら、重ね付けはどう考える?
まず前提として、SPFは主にUVB対策、PAは主にUVA対策の目安です。
そのため、日焼け止めを選ぶ時は「SPFだけ高ければOK」ではなく、SPFとPAをセットで確認する方が分かりやすいです。日本のPA表示は、JCIAの基準で PA+〜PA++++ に分かれています。
重ね付けすると効果は足し算される?
基本的には、単純な足し算で考えない方が安全です。
たとえば、SPF30の下地にSPF30のファンデを重ねたからといって、SPF60になるとは考えません。実際には、いちばん大事なのは十分な量をムラなく塗れているかで、メイクのSPFは補助的に考える方が現実的です。
じゃあ重ね付けは意味がない?
意味がないわけではありません。
下地やファンデ、パウダーなどにSPF/PAが入っていると、塗りムラを減らしたり、こすれて薄くなった部分を少し補いやすくなることがあります。
ただし、AADやJohns Hopkinsの案内でも、メイクのSPFだけで日焼け止めを置き換えるのは不十分と考えるのが基本です。まずはBroad SpectrumでSPF30以上の日焼け止めをベースに塗る、そのうえでメイクのSPFを補助に使う、という順番が分かりやすいです。
どう重ねるのが分かりやすい?
いちばん分かりやすい考え方は、
「日焼け止めが主役、メイクのSPF/PAはサポート」です。
たとえば普段使いなら、
- Broad Spectrumの日焼け止めをしっかり塗る
- その上に下地やファンデを重ねる
- 外にいる時間が長い日は塗り直しやSPF入りパウダーなどで補う
この流れにすると、SPFとPAの役割も崩れにくいです。なお、Johns Hopkinsではスキンケアの前後どちらでもよいが、SPF30以上・Broad Spectrum・耐水性を満たすことが大切と案内しています。
PAも重ねれば強くなる?
PAについても、“PA+++にPA++を重ねたらPA+++++になる”のようには考えません。
PAはUVA防御の等級表示なので、重ねることで塗りムラを減らす助けにはなっても、等級が機械的に加算されるわけではないと理解するのが自然です。
そのため、最初から必要なPA等級を満たす製品を選ぶ方がシンプルです。
いちばん大事なのは、結局「塗り直し」
SPFもPAも、朝1回塗って終わりでは不十分になりやすいです。FDAやAADは、屋外では少なくとも2時間ごと、汗や水の後はもっと早く塗り直すよう案内しています。
つまり、重ね付けを考えるより先に、ベースの日焼け止めを十分量塗ることと、必要なタイミングで塗り直すことの方が効果に直結しやすいです。
通勤・通学・買い物などの普段使い
- SPF30前後
- PA+++以上
このあたりは、日常の紫外線対策としてバランスを取りやすい目です。AADも日常的な日焼け止めではSPF30以上を勧めています。
長時間の屋外、レジャー、真夏の外活動
- SPF50+
- PA++++
- できればウォーターレジスタント
汗や水が絡むなら、PAやSPFの数字だけでなく、40分または80分の耐水表示も確認した方が分かりやすいです。
よくある誤解
「PA++++なら焼けない?」
PA++++はUVA防御の目安が高いという意味で、“絶対に焼けない”や“塗り直し不要”を意味するわけではありません。UVAだけでなくUVB、塗る量、塗り直しも大きく影響します。
「SPF50なら朝塗れば夕方まで平気?」
これも違います。SPFは時間保証ではなく、AADは屋外では2時間ごとの塗り直し、水や汗の後はもっと早い再塗布を案内しています。
「SPFの数字さえ高ければ十分?」
十分とは言い切れません。UVA対策を見るにはPAやBroad Spectrum表示も重要です。FDAは、Broad spectrum表示のある製品がUVAとUVBの両方をカバーするものとして案内しています。
まとめ
日焼け止め表示が分かりにくい時は、まずこの2つで考えると整理しやすいです。
- SPF = UVB対策の目安
- PA = UVA対策の目安
そして、
- “++++”はPAの表示
- SPFは時間ではなく、受けるUVB量に対する指標
- どれを使っても、塗り直しは大事
ここまで押さえておくと、ラベルがかなり読みやすくなります。
Q&A
Q. SPF50は何時間もつの?
SPFは「何時間もつか」をそのまま表す数字ではありません。日差しの強さや汗、こすれ、塗る量でも変わるため、実際は2時間ごとの塗り直しを目安に考える方が分かりやすいです。
Q. PA++++はどれくらい強いの?
PA++++は、PAの中で最も高いUVA防御等級です。ただし、長時間の外出でも塗り直し不要という意味ではありません。
Q. SPFとPAはどっちを見れば良いの?
赤くなりにくさを重視するならSPF、UVA対策も含めて選ぶならPAも一緒に見るのが良いです。迷った時は、両方の表示をセットで確認すると分かりやすくなります。
Q. 普段使いならSPF50じゃないとダメ?
必ずしもそうではありません。通勤・通学・買い物などの日常使いなら、SPF30前後とPA+++以上を目安に選びやすいです。

コメント